緑内障
緑内障は、視神経が障害を受け、徐々に視野が欠けていく病気です。
緑内障の第一の原因は、眼圧の上昇です。眼圧を調整しているのが房水で、房水の生産量と排出量のバランスが崩れると、眼圧が上昇します。
房水は毛様体で生産され、後房→瞳孔→前房→隅角へと流れていき、隅角へたどり着いた房水の85%は強膜静脈へ、残りは虹彩、毛様体から流れます。
排出で問題が生じて、排出の機能が低下すると眼圧が上昇します。この眼圧の上昇で視神経が障害を受け、視野が欠けるのです。
緑内障は、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に大別され、開放隅角緑内障が80%を占めると云われています。
前者の解放隅角緑内障は、慢性的な経過をたどり、末期になるまでほとんど自覚症状がありません。
後者の閉塞隅角緑内障は、短期間で急激に眼圧が上昇するため、頭痛や吐き気、眼痛などの症状があります。症状が出たときの対応が遅れると、失明に至るケースもあるので注意が必要です。
正常な眼圧なのに、視神経が障害を受けるケースがあり、これを正常眼圧緑内障といいます。
これは、視神経の眼圧に対する抵抗力には個人差があり、抵抗力の低い人は正常眼圧でもダメージを受けやすいと考えられています。
早期発見、早期治療が基本
現状では、破壊された視神経を元の戻すなどの治療は不可能なため、早期発見、早期治療が大切です。
いったん傷ついた視神経は元に戻せないため、視野異常や視力低下が改善することはありませんが、眼圧をコントロールするための薬が続々と開発され、進行を食い止めることは十分可能となってきています。
眼圧をコントロールする方法
眼圧をコントロールする方法としては、薬、レーザー、そして手術の3つの方法があります。薬は主に点眼薬が用いられ、毎日決められた回数の点眼が必要です。
レーザーや手術は、房水の流れを良くするための行います。房水の流れを妨げている線維柱帯や虹彩などを切除したり、切開したりして眼圧を下げます。
普通、開放隅角緑内障の場合は慢性的なので、まず薬で眼圧をコントロールします。
一方、閉塞隅角緑内障で、急激に症状が悪化する可能性のある場合は、レーザーで房水の流れを良くする治療を行った後、点眼薬で眼圧をコントロールします。